開催日時
2012年1月28日(土)〜2月25日(土)
12:00〜19:00
月・火休廊
展覧会について
藤森詔子は、1986年に北海道に生まれました。現在、東京芸術大学大学院美術研究科油画専攻修士課程に在籍。東京都在住。
藤森は、人が生きていく上での不条理やもどかしさを、変容した肉体のイメージに託して描いてきました。その志向は、とりわけ人物の肉体に顕著に表れています。性別や個性を極力抑制しつつ、浮き出た血管や皮膚の変色をも描き切る描写が、理想化のない生身の肉体であることを物語っています。その造形からは、作家自身も含めた人間に対しての、愛憎が入り混じるアンビバレントな感情が伝わってくるようです。Gallery Jinでの2回目の個展となる本展では、新作の絵画作品をメインに、版画や鉛筆画を展示予定です。
〈作家のコメント〉
幸せは相対的なものである。
様々な環境も境遇も全てを受け入れた中で、満たされて生きていく為に必要な材料や方法を模索し、独自の幸福論を創造する。
3.11以降、誰もが当たり前にあると信じ込んでいた日常の幸せは、途端に揺らぎはじめたという。直接的被害のみならず、農作物・大気中の汚染濃度など、放射線の影響によりホットスポットと称される地域も出現し、私のアトリエのある茨城県もまた、その範囲内の可能性があるらしい。しかしながら、私にとっては目に見えない物質の恐怖よりも、肌で感じ大きく情を揺さぶられる人の存在の方が何倍もリアリティがあり、シリアスだった。 |