開催日時
2016年5月5日(木)〜8日(日)
The Royal Academy of Arts
展覧会について
GalleryJinはThe London Original Print Fair 2016に出展いたします。
本展では木版画家:片平菜摘子、宮本承司、若木くるみ、水谷恵、佐々木暁子、堀藍、根本佳奈、水野愛里、荒木珠奈をご紹介いたします。
片平 菜摘子 Natsuko KATAHIRA:
淡々と日は流れて、経験したことも、情報もたくさん積み重なり、そのうち記憶はあやふやになってしまう。
些細なことを忘れたくない。 あのときの気持ちも、あの子の横顔も…。
風が吹き、木は佇む。 帰り道があるということ。軒先は整えられている。
それぞれが曖昧な境界を持ちながら、いつでも誰かを気持ちよく迎え入れたいと願っている。
宮本 承司 Shoji MIYAMOTO:
私は日本で伝統的な水性木版の技法を用いて、身近な食べ物などを題材にした作品を作っています。
木版画独特の色合いはもちろんのこと、描くのではなく、木版画で作ることによる制限や不自由さも、モチーフに思いがけない魅力をもたらしてくれていると感じます。
私の作品を見て、今まで日常で見過ごしていた面白さを発見してもらえれば光栄です。
そして私自身も制作を通して発見し続けたいと思います。
若木 くるみ Kurumi WAKAKI:
AM4時、マラソン大会はスタートしました。
街灯のない漆黒の闇は、朝の訪れと共に徐々に豊かな色彩を帯びていきます。
藍の版を一版、緑の版を一版。
一分のズレもなく完璧に刷り上がっていく大自然に、わたしの版画は一生敵わない。
そう諦めると、気が楽になりました。
水谷 恵 Megumi MIZUTANI:
版画は間接的なので、木や和紙の影響をうけ、助けられ、変化するきっかけを与えられながら、作品は最初のイメージ以上のものへと導かれていく。これは、生きることと似ているなと思う。
人や自然に助けられ、ときに苦しみを与えられながら私たちは生きている。
佐々木 暁子 Kyoko SASAKI:
北斎、広重の浮世絵にある青。
それは何気ない日常の中にある、深く奥行きのある物語を伝える色です。
その感触を表現するにあたって、私自身の力だけでなく、版というフィルターを通して与えられた事象との共同制作によって、その心のかたちを描き留める事が出来るように思っています。
その何気ない日常の小さな物語が、音叉のように伝わっていく事を願っています。
(青色をみるときのその感覚を表現するために、私は自分の力だけでなく、木版の版づくりの過程で偶然与えられるものとの共同作業によって、自分の心の形を描くことができると感じています)
堀 藍 Ai HORI:
風景の中に、ぽつりぽつりと、人がおもちゃみたいに小さく見える。
その人の動きを観察するも、何をしているのか詳しくはわからない。
何を話し、何を思い、何をしようとしているのか…。
私が作る版画は、あれこれと想像した痕なんだと思う。
根本 佳奈 Kana NEMOTO:
銅版画特有のモノクロームの世界、時を刻むように丁寧に点描し刻み付け版を作っていく行程を大切にしています。
私にとって銅版画は、自らの記憶や体験、過ごしてきた時間を表現する手段で、物語を感じさせる作品を作っています。
水野 愛里 Airi MIZUNO:
私の作品のテーマは「言葉にできない感情」である。他者へ思いを伝えられないもどかしさや、悲しみといったネガティブな感情は誰にでも生じることだが、その感情を表に出さず、あたかも平気な表情をしているようなきらびやかに輝いている作品をつくりたい。
今後も、インクジェットプリントと版画の組み合わせを用いて、作品づくりをしていきたいと考えている。
荒木 珠奈 Tamana ARAKI:
私は銅版画制作と並行して、インスタレーションも制作してきました。
この二つはテーマ、そして素材としても交差しています。
銅版画では、技法や2次元という制約の中でこそ自由に表現できるものを楽しんで制作しています。
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